レバレッジ2倍とは?メリット・デメリット、危険性についても説明します

レバレッジ取引には興味があるけれども高いレバレッジは不安、という人は多いのではないでしょうか。

そんな人は、まずレバレッジ「2倍」で取引をしてみるのがおすすめ。

取引リスクを抑えながら、レバレッジ取引の基本となる考え方や感覚を身につけていけます。

この記事では、2倍で取引をするときのメリットやデメリットを解説します。

レバレッジ2倍のメリット

低いレバレッジの取引には、高レバレッジにはないメリットがあります。

ロスカットが発生しにくい

レバレッジ2倍の取引ではロスカットが発生しにくくなります。

一時的な逆行で損失が確定することがないため、中長期的なトレンドを基準にして投資を行うことができます。

(例)
ロスカットまでの許容値動きをレバレッジ2倍と25倍で比較してみます。

通貨ペア USDJPY
レート 1ドル= 100円
ロスカット 証拠金維持率50%
自己資金 100,000円
ポジション ロング(買)

レバレッジ2倍をかけて20万円を運用した場合

1ドル75円に値下がりすると、含み損失が50,000円になります。
証拠金維持率は50%に低下し、ロスカットが執行されます。

レバレッジ25倍をかけて250万円を運用した場合

1ドル98円になると、含み損失が50,000円になります。
証拠金維持率が50%に低下し、ロスカットが執行されます。

レバレッジ2倍のときは25円の値動きがないとロスカットされませんが、25倍のときでは2円の値動きでロスカットが執行され損失が確定します。

損失の急拡大がない

2倍のレバレッジであれば、損失が一気に拡大することがありません。

10万円の元手で1円逆行した場合で比較してみます。

20万円(2,000ドル)のポジションを持っていた場合、1円逆行すると2,000円の損失になります。

いっぽう25倍のレバレッジをかけて250万円(25,000ドル)のポジションを持っていた場合、1円逆行で25,000円の損失になります。

低リスクでレバレッジ取引の感覚が掴める

レバレッジ取引は、証拠金維持率やロスカットなど現物取引と異なるルールがあります。

それらのルールがしっかり身につかないままで高レバレッジ取引に挑戦すると、想定以上の損失となってしまったり、借金を負ったりする危険も。

そうならないために特に重要になるのは「損切り」や「ロスカット」など、損失が出た時の対応です。

実は投資の失敗の多くは、損失時の対応を誤ることに原因があります。

高いレバレッジになると少しの値動きで損益の変動も大きくなるため、慌てて損切りしてしまったり、ロスカットで一気に資産がなくなったりする危険があります。

逆にギャンブル的な感覚になって損切りすべきときに損切りができないというケースも多いです。

しかしレバレッジ2倍であれば、前述のように含み損益の変動幅はそれほど急激にはなりません。

低レバレッジの取引で証拠金維持率の計算や損切りの感覚に慣れておくと、高レバレッジでの取引を始めたときでも落ち着いて対応することが可能になるでしょう。

レバレッジ2倍のデメリット

低レバレッジ取引も、デメリットがあります。

大きな利益になりにくい

レバレッジをかけて取引をするメリットは、少ない元手で大きな金額を売買することができる、ひいては大きな利益を得やすくなる、ということです。

しかしレバレッジが2倍だと、10万円の元手に対して20万円分の取引しかできません。

逆行した時の損失は少なく済みますが、狙い通りに動いたときの利益幅も少なくなるため、少額の利益をコツコツ積み上げていくことになります。

レバレッジ2倍の注意点

レバレッジ2倍で取引をしようと思ったときに、注意しておきたい点を解説します。

レバレッジ倍率を指定できない

国内FX会社の多くは、レバレッジ倍率を指定できません。

どういうことかというと、元手10万円を預け入れた場合、25倍の250万円まで取引自体はできてしまうということです。

(例)
1lot  1,000通貨
取引可能上限 25,000通貨(25lot)
通貨ペア USDJPY

このとき、元手10万円でレバレッジ2倍のポジションを持つためには、発注数を2lot(2,000通貨=2,000ドル)にする必要があります。

10lot(10,000通貨)発注したい場合は、合計50万円の証拠金を預け入れなければレバレッジを2倍に抑えることができません。

レバレッジを2倍にしておくためには、注文ロット数を少なくするか、預け入れる自己資金を増やすか、いずれかの方法を使って自分でレバレッジ倍率を調整しなければなりません。

レバレッジ2倍の証拠金維持率とロスカット

低いレバレッジであっても、証拠金維持率が低くなればロスカットされます。リスク管理に重要となる証拠金維持率の計算方法を確認しておきましょう。

証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 ×100

有効証拠金は預け入れた自分の資産に、持っているポジションの含み損益を加えたものです。

必要証拠金はそのポジションを保有するために必要な証拠金です。「レート×通貨数÷レバレッジ倍率」で計算されます。

たとえば1ドル100円のときに、100,000円を預け入れて200,000円(2,000ドル)のポジションを持った場合は以下のようになります。

必要証拠金 100円 × 2,000ドル ÷ 2 = 100,000円
有効証拠金 100,000円
証拠金維持率 100,000 ÷ 100,000 × 100 = 100%

レバレッジ2倍で取引できる取引所&FX会社

国内で、レバレッジ2倍で取引ができる会社を商品別に紹介します。

投資信託

以下の証券会社で、レバレッジ2倍の投信商品を取り扱っています。

・ダイワアセットマネジメント
・楽天証券
・農林中金全共連アセットマネジメント

仮想通貨(暗号資産)

国内の暗号資産レバレッジ取引の倍率は2倍が上限となっています。

・DMM Bitcoin
・GMOコイン
・Huobi
・bitFlyer
・楽天ウォレット
・Liquid by FTX

株式

株式の信用取引は、以下の会社で提供しています。

・野村証券
・DMM株
・松井証券 ほか

株式へのレバレッジ適用では、ナスダック100指数の値動きに対して2倍の値動きになることを目指す、通称「レバナス」が話題になりました。

これはレバレッジ型ETFと呼ばれる商品で、投資経験の浅い投資家にとってはリスクが高いものです。SNSなどで投資を煽るような投稿が相次いだことなどから、2021年6月には金融庁が注意喚起を公表しました。

(参考)金融庁 https://www.fsa.go.jp/user/20210630_levETF2.pdf

FX

自分でレバレッジ倍率を選択できる会社は少なく、2倍を選択できるFX会社はその中でも少数です。

・SBI FXトレード
・楽天証券

まとめ

レバレッジ2倍の取引について、メリットやデメリットを紹介しました。

低レバレッジでの取引は高レバレッジの取引よりもリスクを抑えた取引が可能です。利益幅は高レバレッジよりも少なくなりますが、レバレッジ取引が初めての人や経験が浅い人は、2倍のレバレッジで慣れてから、高レバレッジ取引をスタートすることをおすすめします。

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